ブルーインパルスって戦闘機じゃないの?
歴代の機体について知りたいな
全国の航空祭やイベントで大人気のブルーインパルス
正式名称は、宮城県松島基地 第4航空団に所属する「第11飛行隊」
関連記事:【ブルーインパルスはどこにいるの?】基地見学と基地上空訓練について
青と白、日の丸が美しいブルーインパルスの機体が印象的で、心に残ります
ブルーインパルスは戦闘機じゃないのか?気になったので、現在と歴代ブルーインパルスの機体について調べてみました
この記事では、ブルーインパルスの機体についてお伝えします☆
ブルーインパルスの現在の機体は戦闘機じゃなく、T-4中等練習機を改修
ブルーインパルスで現在使用されているのはT-4 アクロ使用機(正式名称「戦後研究使用機」)
航空自衛隊のパイロット訓練機や連絡機として使用されているT-4中等練習機をブルー仕様に改修しています
今のブルーインパルスの機体は戦闘機じゃないんだね!
改修はされていますが、基本構造や性能はT-4中等練習機と大きく変わりません
なおT-4は川崎重工業が製造を担当
機体はもちろん、エンジンや搭載機器など全てが国内で開発・生産された純国産の双発ジェット機です
スモークについて
ブルーインパルスの演技で印象的なスモーク
パイロットの操作でスモークを発生させるため、ブルーインパルスの機体には発煙装置が付いています
ノズルは右側エンジンの排気口すぐ後方にあります
ノズルには小さな穴が空いた金具(オリフィス)が取り付けられていて、事前に穴のサイズを変更することでスモークの太さも変えられます
タンクの容量は約320L(85ガロン)で、約10分間の発煙が可能だよ☆
スモークは演技課目によって出すタイミングが決められています
①編隊長が無線で「ワン、スモーク」をコール
→僚機がそれに合わせてトリガーを引いてスモークを噴射
②次の「スモーク」のコール
→トリガーを緩めて、スモークを停止します
ブルーインパルスのパイロットの記事はこちらから:
・【ブルーインパルス】女性はいるの?2024年のパイロット紹介
・【ブルーインパルス】歴代のパイロット一覧
・【ブルーインパルスのパイロットになるには】その後についても解説
・ブルーインパルスのパイロットの年収・給料はどのくらい?なりたい人必見!
最大速度は約1,040km/h
航空自衛隊公式ホームページを見ると、ブルーインパルスの最大速度はマッハ約0.9(約1,040km/h)
マッハは音速(約1,200km/h)と同じだよ☆
ちなみに
- 新幹線(のぞみ)の最大速度は約270km/h
- 飛行機の速さは約900km/h
デザインは一般公募で決定
ブルーインパルスのT-4は一般公募で決定されたオリジナルデザインが採用されています
1992年に一般公募の告知があり、応募総数2,135点の中から選ばれたのは、愛好家の中で有名な斎藤章二さんの作品
青と白と日の丸が、とってもキレイだよね☆
ブルーインパルスの歴代の機体について
ブルーインパルスの現在の機体は3代目です
F-86ブルーインパルス:1961~1981年
ブルーインパルスの初代の機体F-86Fは、アメリカから供与された当時の主力戦闘機です
F-86Fは日本でハチロクの愛称で呼ばれていたよ
当時、ハチロクのパイロットになるため米国留学が行われており、そこで空自パイロットたちは米空軍のアクロチーム「サンダーズ」の飛行を目の当たりに
大きな感銘を受けて日本にもアクロバットチームを作るという夢が動き出しました
1960年4月、静岡県の浜松北基地に「空中機動研究班」が作られます
同じ1960年の8月、部隊名が「特別飛行研究班」に改称
ブルーインパルスのコールサイン(無線呼出符号)をもつ正式なチームが発足しました
この時のブルーインパルスは5機だったよ
F-86F時代、最大の出来事は1964年の東京オリンピック開会式でのフライトです
カラースモークで五輪マークを空に描いたブルーインパルスの名前は全世界に知れ渡りました
1970年の大阪万博でも展示飛行し、「EXPO’70」の文字を描いています
1981年、545回の飛行を行ったハチロク・ブルーは多くの人に惜しまれながら引退します
T-2ブルーインパルス:1982~1995年
F-86Fブルーインパルスの誕生から20年近くたち、F-86Fが老朽化
戦闘機パイロットの教育も国産の超音速練習機T-2で行われるようになっていました
T-2での曲技飛行の研究がなされ、T-2ブルーインパルスが誕生します
T-2からブルーインパルスは今と同じ6機になるよ
T-2はF-86Fに比べて機体サイズが大きく、エンジン音も大きいため迫力のあるパフォーマンスが可能になりました
T-2ブルーインパルスの時代の1982年11月、浜松基地航空祭での墜落事故が起きています
事故は悲しいよね
関連記事:【ブルーインパルスの事故一覧】墜落、パイロットの死亡について
事故後、様々な安全対策がなされて再出発
三沢基地航空祭ではアメリカの空軍サンダーバーズとも共演しています
T-4ブルーインパルス:1995年~
1995年より現在も使われているT-4ブルーインパルスが発足
1997年には初の海外遠征が行われました
2004年には航空自衛隊創設50周年を記念した新課目の「サクラ」や「オポジット・トライアングル」などが披露されています
関連記事:【保存版】ブルーインパルス全ての技一覧 演目の難易度は?
すごい技やかわいい技がいっぱい!
2011年、ブルーインパルスの本拠地である松島基地を東日本大震災の津波が襲います
関連記事:【ブルーインパルスはどこにいるの?】基地見学と基地上空訓練について
ブルーインパルスは整備中の1機以外イベントのため芦屋基地にあり、難を逃れられました
2020年より全世界で流行した新型コロナウイルスにより、航空祭などのイベントは延期やキャンセルが続いた時期もありました
2020年5月29日医療従事者への敬意と感謝を表すため、ブルーインパルスが都心上空を飛行
当時の河野太郎防衛大臣がブルーインパルスの費用について言及しています
関連記事:【ブルーインパルスの費用】1回飛ばすのにいくら?税金から出ているの?
けれども最近では航空祭の開催も通常どおり行われ、ブルーインパルスは人々を魅了し続けています
ブルーインパルスは戦闘機じゃない?現在と歴代の機体について
この記事ではブルーインパルスの機体について、お伝えしました
もう一度まとめますと
- ブルーインパルスは戦闘機ではない
- ブルーインパルスの機体は純国産(川崎重工製)のT-4中等練習機を改修したT-4 アクロ使用機(正式名称「戦後研究使用機」)
- 発煙装置が付いており、パイロットが操縦桿のトリガースイッチを引くと、発煙油が発射される
⇒噴射された発煙油は熱によって一瞬で気化するが、すぐに大気中で冷やされて凝結、細かな油のしずくが白いスモークになって出てくる - 最大速度はマッハ約0.9(約1,040km/h)
- ブルーインパルスのデザインは公募で決められた
- ブルーインパルスの機体は現在3世代目(F-86F⇒T-2⇒T-4)
航空祭やイベントでは、ブルーインパルスの機体にも注目です☆
ブルーインパルスに魅了されたら気になるブルーインパルスグッズの記事はこちらから
※参考文献:
・『ブルーインパルス パーフェクト・ガイドブック』(イカロス出版、2020年)
・『ブルーインパルス60年の軌跡』(英和出版、2020年)
・赤塚聡『ブルーインパルスの科学』
(SBクリエイティブ出版、2014年)